前川製作所の新ホタテ専用フリーザー「玉麗」

「MYCOM」の愛称で知られる(株)前川製作所の連続式ステンレススチールベルト式フリーザーが新しくなった。ホタテ専用で、その名も「玉麗」。製品を白くきれいに仕上げる性能を表現した。今春、他に先駆けて導入した(株)髙田商店(枝幸町)の髙田英行社長は「高品質の玉冷を衛生的に、低コストで製造できる」と太鼓判を押している。
髙田商店は昨年までの約20年間、マイナス196度の液体窒素による瞬間凍結式のフリーザーで玉冷を製造、品質への高い評価を受けていたが、他の方式に比べ、1キロ当たりのコストが50~75円高かった。
「コスト高の分を吸収する単価で売れるうちは良かったが、現在は難しい。また液体窒素は苫小牧から運ばれてくる。玉冷生産ピーク時は1日おきに充てん、慌てることもしばしばで大変だった」と髙田社長は振り返る。
「液体窒素と比べてもそん色ない玉冷を製造できるエアブラスト方式、しかも汎用機ではなく玉冷専用の凍結機を設計してほしい」という髙田社長の願いを受け、前川製作所の新機種開発はスタート。テストと改善を重ねて完成したのが「玉麗」だ。
「製品の仕上がり、白さには十分満足」と髙田社長。割れない・乾かないという高品質条件もクリアしている。
「満足できる白さ」はユーザーごとに異なる。そこで前川製作所は今回、玉冷の色を数値化する独自の方法を考案した(特許出願中)。これにより、機械メーカーとユーザーとが「白さ」について共通認識を持ち、凍結時間や温度設定に“色の数値”を適用できるようになった。
髙田商店の玉冷ラインは、厚生労働省の対米HACCP認定施設で、万全の衛生管理体制を誇る。「洗浄に始まり、洗浄に終わる」と表現する髙田社長にとって、凍結機内部を丸洗いできることも魅力。前川製作所もその点にこだわり「内部洗浄が難しいブライン式凍結機との大きな違い」と強調する。
フリーザーの弱点ともいえる霜取りを効率化し、生産性を向上させたことも、新機種「玉麗」の特長。髙田社長は「霜取りのために運転を止めたり減速したりすれば効率が悪い。減速するとその分、製品の白さも減る。『連続運転できないのがネック』という加工場も多い」という。
「玉麗」は運転しながら霜取りできる、タイマー制御のエアデフロストと、終業後に同じくタイマー式で霜取りする散水デフロストを併用することで、10時間連続運転が可能。従来の霜取りによる時間の無駄を解消した。「運転コスト減と生産性の向上を考えると3~4年で回収できる設備投資」と髙田社長は確信する。
高性能ながらコンパクトなのも特長。髙田社長は「普通、これだけの能力を持つフリーザーを設置するには場所が制約されるが、今回は旧来機との入れ替えもスムーズだった。作業上も省スペース効果がある」と話している。
「玉麗」は1時間当たりの処理能力が300キロ、480キロ、600キロの3タイプ。庫内温度マイナス38度。凍結時間は玉冷サイズや外気温によるが、2S規格を25列に並べ12~13分。温水スプレー式のベルト洗浄装置付き。オプションで泡による庫内洗浄装置も。
「機械の完成度はユーザーの満足度で決まる」という前川製作所の「玉麗」。髙田商店での稼働実績をもとに、来シーズン以降の普及に弾みがつきそうだ。
(株)前川製作所北海道支店 札幌市西区二十四軒3条2丁目5―1
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(2006年10月23日付)




