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北翔電子の水温観測ブイ「マリンアイ」道内で普及


低価格・高性能で普及が見込まれる浮き球型海洋観測装置「マリンアイ」

 低価格の海水温測定ブイ「マリンアイ」が北海道沿岸で普及している。ソフトウエア開発の(有)北翔電子(江別市、瀧和彦社長)と水産コンサルタントのエーコン(株)(中標津町、佐々木孝夫社長)が共同開発。本体価格は95万円で従来品の6分の1に抑えながら、機能はさらに充実している。水温のほか潮流や塩分濃度、クロロフィルa量、溶存酸素量を測定する上位機「スーパーマリンアイ」もラインアップ。陸奥湾や三陸沿岸などへも普及が拡大しそうだ。

 「マリンアイ」の低価格化は、市販されているコンピューターや漁業用のプラスチック製浮き球など、汎用部品を採用することで成功した。

 機能は従来品に勝るとも劣らない。4層の水深で温度を1時間ごとに測定、インターネットを通じパソコンや携帯端末で結果を閲覧できる。水深を8層、12層など4の倍数で増やしたり、最短5分ごとの測定・通信に変更することも可能だ。

 全体重量30キロ以下、浮き球部10キロ以下と小型・軽量化したことで運搬や取り扱いも簡単になった。余剰浮力が減ったためシケに強いのも特長だ。道北の苫前沖では平成16年9月、台風18号が上空を通過。風速40メートルの大しけがホタテ養殖施設に多大な被害をもたらしたが「マリンアイ」は耐え抜いた。

 省電力化で1年間の連続稼働が可能。メンテナンスの手間も減った。2週間分の観測データを記録する大型メモリーを搭載しており、悪天候などで通信に失敗しても後日、自動再取得。

 各種オプションや補修・システム更新サービスも充実している。上位機「スーパーマリンアイ」は、オプションで流氷下の観測も可能だ。

 閲覧したデータを「エクセル」などの形式で保存・蓄積すれば、過去との比較や今後の予測に役立てられる。

 平成16年の開発以降、本道沿岸各地に設置。現在も根室管内さけ・ます増協や羅臼漁協、斜里の定置漁業者のほか、日本海では道ほたて漁業振興協会が苫前沖に、留萌管内帆立漁業者連絡協議会が増毛沖に設置、ホタテ養殖漁業者が有効に活用している。

 北るもい漁協苫前地区のホタテ養殖漁業者・横内淳さんは「稚貝分散時の水温を確認し日誌的に記録していく。貝に異変があれば状況を確認し、将来に生かすことができる」とメリットを語る。

 また、東京農業大学が網走沖と能取湖内で、環境省が羅臼沖とウトロ沖に設置している。環境省が採用したのは、水温以外に潮流、塩分濃度、クロロフィルa量を測定できる「スーパーマリンアイ」。知床世界自然遺産の海域管理のための基礎データを収集している。

 同省釧路自然環境事務所の自然保護官・水﨑進介さんによると、寒流と暖流、河川水流入のバランスなどにより、浅海域の生物相がどのように変化するかを調べる。

 気候・海洋環境の長期変動による水産資源の変動を予測したり、ホタテが餌とする植物プランクトンの春季大発生やサケ・マス増殖研究など、水産資源の管理にも役立つ。

 設置やシステム運営に協力した羅臼、ウトロの両漁協の漁業者は、各種データをパソコンや携帯端末で閲覧し操業に活用することができた。

 水﨑さんは「羅臼側は、以前から漁協が『マリンアイ』を設置していたが、ウトロ側では初めて。本年度は観測を終了、ブイを回収したが、来年度以降も継続したい」と話している。

 青森県の陸奥湾でも活用されている。平内町漁協総務部の辻村弘治さんによると昨年9月、県水産総合研究センター増養殖研究所のアドバイスを受けて浦田支所沖のホタテ養殖施設内に設置した。

 辻村さんは「パソコンや携帯でリアルタイムに水温が分かるので便利。小型の機器で、養殖施設内の環境をそのものずばり、ピンポイントで観測。漁業者も活用しやすいと喜んでいる」という。

 浦田沖の設備は現在、北翔電子が無償で貸与している。

問い合わせ先

製造元・(有)北翔電子
江別市4条3丁目6-9
TEL/FAX.011-381-0335
URL http://www.hkso.co.jp/

販売元・エーコン(株)
中標津町東39条北2丁目1
TEL.01537-9-0625
FAX.01537-9-0628

※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。

(2008年01月21日付)

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