アワビ養殖に新装置

カプセル型で浮沈式のアワビ海中養殖装置がこのほど開発された。左右760センチ、直径160センチの本体をステンレス製の枠で16部屋に仕切り、シェルターをセット。アワビ1を生産できる。コンプレッサなどでエアーを注入して浮上させ、給餌。発明者の小原悦郎さんが岩手県山田町の(有)小原工業で製作した。
アワビ海中養殖ではこれまで、プラスチック製のかごを延縄方式で垂下する施設が多かった。カプセル型としたことで、養殖スペースが立体的に構成され収容密度がアップ。浮沈式で給餌などの作業性も向上。より大規模で省力化された養殖プラントとなる。干しアワビの中国輸出で価格も上昇しているだけに、脚光をあびそうだ。
構造は、カプセルの円心部に柱のように密閉フロートを設ける。この周囲が収容スペースとなり、左右400センチ、直径160センチの八面体を16部屋に仕切る。一部屋は上下66センチ、左右200センチの間口で、奥行き約50センチとなり、円心部に近くなるほど上下が狭まる。一部屋ごとにトリカルネットを張った上下開閉のふたが付く。収容スペースの左右それぞれに鋼板製バラストフロートを配置。
係留は左右両端からロープを伸ばしアンカーで固定。左右それぞれのバラストフロートから表層の標識ブイまでホースでつなぎ、これに吸排気弁をつけエアーを調整。漁船動力などでコンプレッサを駆動しエアーを注入すると、バラストフロート内の海水が抜け浮上。エアーを抜けば海水が入り沈む。圧力、浮力は設計で計算されており「全体的なバランスが難しいが、外洋でも適応できる」(小原さん)という。
小原さんは山田町生まれで東京在住。昨年11月、この装置の考案で(財)発明振興協会から発明研究奨励金(100万円)を交付された。弟の小原義明氏が社長を務める(有)小原工業で今年3月から製作開始。特許三件と実用新案一件を取得し、一件の特許を出願中。製作にはシェルターやネットの提供などで(株)三亥(本社・塩釜市)の釜石支店と宮古営業所が協力。
海中養殖装置の完成により今後は漁場での導入が期待、注目される。小原さんは「これまでは試行錯誤し漁業者にも相談したが、今後は(受注が)決まれば1カ月で納入できよう。場合によっては三亥さんに納入先を探してもらうこともあろう」と話し、漁場での設置を心待ちにしている。
小原悦郎さん、電話03-3655-4555
(株)三亥釜石支店、電話0193-22-4101
同社宮古営業所、電話0193-62-4447
(2005年06月27日付)




