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漁具漁法

寿都のコウナゴ電光敷網

 後志沿岸では、4月中旬から5月にかけてコウナゴ漁が盛んで、集魚灯でおびき寄せてすくう電光敷網漁が広く行われている。操業船が45隻と最も多い寿都町漁協の横山正平・コウナゴ部会長らに漁具・漁法をきいた。

 コウナゴ漁の許可船は10トン未満で、刺網やタコ漁と兼業の4・9トン船が中心。横山部会長の第八大宝丸(4・9トン)は高さ約6メートルのマストから右舷方向に網を出す際の支えとなるデレック(長さ約6メートル)を海に乗り出すように設置し、海面を照らす2キロワットのハロゲンランプ3個を取り付けている。

 操業場所は弁慶岬から磯谷地区にかけての寿都湾で、主に水深10~50メートルの海域で群れを探す。魚探に反応が映るほど大きな魚群はめったになく、横山部会長は「潮と風の流れを読んで、魚がたまっていそうな場所を見つけることが大切」と話す。

 適当なポイントが見つかったら船を停止させ、ハロゲンランプを点灯、長さ約6メートルの鉄管が取り付けられた網を海に入れる。魚が寄ってくるのを待ち、ワイヤーで網を巻き水面近くまで寄せてからタモですくい上げる。

こうした作業を一晩に数十回繰り返し、横山部会長は「多く獲れる日には70箱(10キロ入り)くらいの水揚げがある」と話す。ただ、漁が薄い日には場所を移動することが多くなり、燃料も多くかかる。着業者の阪内幸生さんは、「無線連絡で多く獲れた場所の情報も入るが、着いたときには群れがいなくなっていることもある」と漁の難しさを語る。

 阪内さんは兄の忍さんと二人で沖へ出ているが、コウナゴ漁は一人でも操業が可能だという。阪内さんは「一人の船では、網が袋状になるように片側へイセを多めに入れ、魚が一方へたまってすくいやすいように工夫しているようだ」と話す。

 網の両側に竹竿をつけて人力で作業をしていた20年前と比べると、網を巻く作業が動力に代わり省力化が図られた。また、網の色も赤からナイロン無地の薄い水色に変わり、阪内さんは「網にはホッケも乗りコウナゴが食べられてしまうが、光に反射した青い色をホッケは嫌う」と説明する。

 電光敷網の漁具をそろえるには一式40~50万円程度かかり、発電器のバッテリー容量は最低でも7キロワットが必要となる。横山部会長と船に乗り込む息子の登さんは「操業の際にはランプの予備を持って沖に出るが、切れるのは1年に一個程度」と話す。ランプの値段は一個6千~9千円で、「ソケット部分も経年変化で痛みやすい」という。

 水揚げしたコウナゴは無地網を敷いたカゴに入れて水切りを行い、市場の荷捌所で発泡箱に詰め替える。同漁協のコウナゴ漁は午後7時に点灯し、午前4時までに入港する。入札は4時30分で、地元の加工業者は5時過ぎには作業を始めるため、鮮度が落ちる心配は少ない。

 同漁協によると、今年の初水揚げは4月14日で、5月22日までの出漁回数は27回を数えた。島牧や岩内方面から陸送される分も含めた22日時点の水揚高は240トン、1億2300万円。昨年の水揚数量230トンを上回ったが、金額では昨年の1億6100万円を下回る見通しだ。

 単価の高い漁期前半に悪天候で出漁回数が伸び悩んだことに加え、加工筋が昨年からの冷凍在庫を抱えていることが金額の減少につながったとみられる。キロ単価はおおむね1300~500~100円で推移し、つくだ煮用には向かない体長7、8センチと大きいものではキロ100円を割った日もある。

 石油価格の高騰から燃料代や発泡代などにかかる漁業者の経費負担は増えており、キロ単価が落ち込んだ20日以降は漁を切り上げる人も出てきた。横山部会長は「水揚げのピークは過ぎたが、今月いっぱいまで操業を続け、漁模様を最後まで見届けたい」と話している。

※記事の詳細は週刊水産新聞紙面をご覧ください。

(2005年05月30日付)

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